そういえば自分が住んでいる地域の土地だとどのくらいの規模の建物が建つか疑問に思ったことありませんか?低層の建物ばかりの地域だったり、高層ビルが並ぶオフィス街など様々。
建物が土地いっぱいに建てられないのはどうして?
それは法律によって定められているからでござるよ!
そうなんだ…でもそれってどうやって分かるの?
役所に行かないと分からない?
専門知識がないと分からない?
私には難しいん…以下省
知りたいこと山ほどでござるな(笑)
ひとつずつ解説していくでござるよ!
建蔽率とは
建蔽率とは、その敷地に対して建てられる建物の大きさの割合になります。これはあくまで建物を真上からみた時の平面的な大きさの算定になります。
数式で表すと
基本は地域による建蔽率が決まっているので、
の計算式を用いることが多い。
これだけ見てもピンとこないと思うので、実際に計算例をみてみよう!
■敷地面積2000(m2)で建蔽率60(%)と定められている場合
$$建築面積 = 2000(敷地面積)\times\frac{60(建蔽率)}{100}$$
= 1200(m2)
この場合は敷地面積2000(m2)に対して1200(m2)が上限の建物が建てられることになります。
それ以上で設計してしまうと、行政に設計図を提出したときに不採用になります。(厳密にいうと違法になります。)
これ以外にも建物を建てるにあたって隣地、道路との関係性があります。こちらは別の記事で解説していきます。
地域の種類、調べ方
地域もその土地ごとに様々あります。数ある地域をまとめると
(建築基準法第53条より)
地域 | 建蔽率(%)の上限 | |
一 | 第一、二種低層住居用地域、第一、二種中高層住居専門地域、田園住居地域、工業専門地域 | $\frac{3}{10}$、$\frac{4}{10}$、$\frac{5}{10}$、$\frac{6}{10}$のうち当該地域に定められたいずれかの数値 |
二 | 第一、二種住居地域、準住居地域、準工業地域 | $\frac{5}{10}$、$\frac{6}{10}$、$\frac{8}{10}$のうち当該地域に定められたいずれかの数値 |
三 | 近隣商業地域 | $\frac{6}{10}$、$\frac{8}{10}$のうち当該地域に定められたいずれかの数値 |
四 | 商業地域 | $\frac{8}{10}$ |
五 | 工業地域 | $\frac{5}{10}$、$\frac{6}{10}$のうち当該地域に定められたいずれかの数値 |
地域ごとに建蔽率の上限値が異なります。
ちなみに地域ごとの特徴はこちら。
自分が住んでいる地域がどの地域に該当していて、建蔽率がいくつか知りたい方は下記の都道府県別の用途地域マップのリンクを活用ください。
使い方は上記のリンクを開く。ここから調べたい都道府県をクリック。
今回は例として東京都をクリックした画面がこちら。
東京都をクリックしたら23区、市が選択できるようになる。今回は港区をクリック。
そうすると港区のマップが現れる。左下の赤枠部に各地域名が記載されている。
この色はマップの色とリンクしています。
ここからさらに左上の住所検索の赤枠部をクリックし、港区内を詳しく調べられる。
今回は六本木をクリック。
六本木をクリックするとアップのマップになる。さらに番地を入れられることができる。
マップ内の色がついているところをクリックすると下記のように地域、建蔽率、容積率が出てくる。
ちなみに六本木ヒルズ(六本木6丁目)は商業地域となり建蔽率80%、容積率600%となっています。
図は拡大すると見やすくなります。
容積率については別の記事にて解説していきます。
敷地が2つの地域にまたがってた場合はどうなるの?
下記のように敷地は2つの地域にまたがっていた場合どうなるかを解説していきます。
この場合の条件は図を参照。敷地面積は2000(m2)とします。
結論から言うとそれぞれの地域ごとを敷地の比率に対して計算し、合わせた値が計画できる建物の大きさとなります。
では、実際に計算例をみてみよう。
・第一種低層住居地域
2000(敷地面積)× $\frac{5}{10}$(建蔽率)× $\frac{7}{10}$(敷地に対しての比率)
= 700(m2)
・近隣商業地域
2000(敷地面積)× $\frac{6}{10}$(建蔽率)× $\frac{3}{10}$(敷地に対しての比率)
= 360(m2)
両方合わせると
= 700 + 360
= 1060(m2)
となります。
建築面積に算入されるもの
箱型の建物上に突出したバルコニーや庇を見たことありませんか?
実は、それらも建築面積に算入されます。ただし、1m突出した部分は緩和され建築面積に算入されなくなります。
例えば2mバルコニーは突出していた場合は1m分緩和されるので、
1m分を建築面積に追加するだけでよくなります。
建蔽率が緩和される場合
商業地域のような建蔽率が$\frac{8}{10}$の地域外で防火地域内の耐火建築物の場合は定めている限度に+$\frac{8}{10}$される。
簡単にいうと火災が起きても燃えにくい建物をつくっていれば緩和しますよと言っています。
もうひとつは角地も定めている限度に+$\frac{8}{10}$される。ただし条件があり、特定行政庁が指定する街区限定です。
では、例として建蔽率が$\frac{6}{10}$と定められた第一種低層住居用地が、防火地域内の耐火建築物かつ角地の場合(特定行政庁が指定する街区)
$\frac{6}{10}$ + $\frac{1}{10}$(耐火建築物)+ $\frac{1}{10}$(角地)
= $\frac{8}{10}$
敷地面積2000(m2)に対して1200(m2)が上限の建物だったのが、1600(m2)まで建てられることができるようになります。この恩恵はかなり大きいです。
まとめ
自分の住んでいる地域や今後住もうと思っている地域を調べてみるのも面白いですよ!
この地域では、あの地域より大きな建物が建てられるといった情報があると新築を計画する時にも役立ちます。
そしてプロに計算してもらわなくてもこの記事を読めば、自分でも計算できるでしょう。
プロに依頼するとお金掛かるときもありますからね。
是非参考にしてみてください!
あと東京23区の住みやすさを3つの項目の総評でランキングにした記事もあるので、よければどうぞ!
最後まで読んで頂きありがとうございます!
ご意見等ございましたら下記に記載願います!
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