現場監督は何かと役所関係の書類を作らなければなりません。しかも工事の計画や段取りのしながら…
職人さんが帰ったあとに残業して準備するんですよね。準備が間に合わなず直前になって慌てて作ったりして…ね(笑)
書類づくりにまで手が回るかァ!
2~3年目までそんなこと思いながら作成してました(笑)
説明も交えつつ、まとめ方について解説してきます。
中間検査とは
この記事はあくまで中間検査書類まとめが目的なので、知っている方はここを読み飛ばしちゃって大丈夫ですよ~。知らない方向けへ書いていきますね。
建築基準法にはこう書かれている。
階数が3以上である共同住宅の床及びはりに鉄筋を配置する工事の工程のうち政令で定める工程。
法第7条の3第1項第1号の政令で定める工程は、2階の床及びこれを支持するはりに鉄筋を配置する工事の工程とする。
この検査を終えてからはじめて2階の床はりのコンクリート打設ができるようになります。
万が一…検査で指摘をされた場合を考慮して、中間検査~打設日は1~2日空けておくといいでしょう。この辺の工程は少しもたつきます。
書類のまとめ方
中間検査時提出書類等一覧のなかで、現場で用意する書類は赤枠をしてあります。
この記事では延べ面積が500㎡以上の鉄筋コンクリート造を対象としています。
5は着工前に作成した建築施工計画報告書の写しになります。検査機関が提出を求めてきたときに渡してあげましょう。ちなみに今まで拙者は求められませんでした。
7は建築施工結果報告書(中間)になります。着工~2階床はりまでの工事を対象に所定の書類に記載していきます。こちらの記事で解説します。
今回は10の現場で確認する主な書類のまとめ方を解説していきます。
まだ書類を挟むファイルを買ってない方はこちらをどうぞ!
必要書類の中の工事状況写真の撮り方については、割愛しますのでこちらの本を参考にするといいですよ~
丸パクリして労務削減していきましょう!
コンクリート関連の書類
上記の赤丸4つになりますが、1のコンクリート配合報告書は提示する必要はありません。
代わりにコンクリート打設当日にもらうコンクリート納品伝票が必要になります。
これらを基礎~1階床までの打設分をまとめていきましょう。
コンクリート強度試験成績書
コンクリート強度試験成績書は、打設後の所定の日数が過ぎた時のコンクリート強度がいくつになったかを元請(ゼネコン)へ知らせるものです。
この成績書は28日材齢のみファイルにまとめておけば大丈夫です。試験元から郵送で送られてくるので受け取り次第ファイルにまとめましょう。大事な書類になるので失さないように!
郵送される前にFAXかメールで試験結果の速報(本書の代わり)が届きます。最悪速報でも構いません。
塩化物量試験成績書
コンクリート打設当日に試験を行いますが、塩化物量を測定する機器(ソルコン)になります。
測定すると機器からレシートみたいに測定結果が紙で出てきます。当日試験した結果を試験元が1枚の紙にまとめ、塩化物量を測定結果用紙を貼りつけて受け取ります。
それが塩化物量試験成績書になります。
塩化物はコンクリートと化学反応することで、強度を高めてくれます。
ただし、入れすぎると鉄筋が錆びてしまうため上限は0.03kg/m3とされています。
工事状況写真(コンクリート試験)
ここでは打設をしている状況写真ではなく、コンクリートの試験状況写真になります。
必要な写真としては、
・黒板のアップ
・スランプ値
・空気量
・コンクリート温度
・塩化物量
コンクリート納品伝票
これもコンクリート打設当日のミキサー車1台ずつから受け取ります。
こちらは別のファイルにまとめておきましょう。中間検査では捨コン(強度15、18)の用紙は不要なので、ファイルから外しておきましょう。
根伐り工事後に基礎梁等の位置を墨出しするために打設するコンクリートのこと。
強度が低いため、躯体へは打込んではいけない。
まとめ方
各コンクリート打設ごとに作成し、インデックスや付箋を付けファイルにまとめましょう!
中間検査当日に「基礎梁の強度を教えて」と検査員に言われるので、インデックスや付箋から開いて答えられる準備をしましょう!
鉄筋関連の書類
上記の赤丸3つになります。
鉄筋ミルシート
ミルシートとは鉄筋や鋼材の材質について書かれた品質の保証書になります。
工事現場に搬入する前に搬入対象物を検査をし、降伏点、引張強度等が規定の数値を上回っていることを確認します。
物体に力を加えていき、急激に変形し元に戻らなくなるときの力の大きさ。
単位はN/mm2
物体を破断するまで引っ張った時の力の大きさ。
単位はN/mm2
上記の写真はタグと呼ばれ、所定の鉄筋束につき1枚ついてくるものです。
このタグとミルシートに書かれていることがリンクしているか確認します。
・鉄筋の呼び名(鉄筋径)
・ロット番号
・本数
まとめ方
鉄筋圧接抜取り引張り試験
工事状況写真(圧接)
コンクリートの時と同様に圧接状況写真もまとめないといけません。
・抜き取り後
・再圧接(抜き取った場所は鉄筋がない状態なので、鉄筋を追加して圧接する)
・資格証確認
1作業班が1日に圧接した箇所の指す。
150~200箇所の圧接につき、3本の圧接試験供試体を採取します。(東京都は5本)
工事状況写真(配筋)
全景、ベース・はかま筋の本数、重ね継手長、鉄筋種類
全景、主筋本数、帯筋(柱)・あばら筋(梁)のピッチ、定着長、
カットオフ(梁)、鉄筋種類
全景、主筋・配力筋方向のピッチ、定着長、重ね継手長、被り厚さ、鉄筋種類
全景、いなづま筋のピッチ、壁への定着長、重ね継手長、
踊り場のスラブピッチ、鉄筋種類
撮影して、配筋写真アルバムとしてまとめるのが一番時間がかかるんですよね(泣)
まとめ方
①の作業証明書とは、その日に圧接した箇所を図面に記載し何本圧接したかを圧接業者さんが記入します。それを受け取り部位毎にインデックスや付箋を付けファイルにまとめましょう!
杭関連の書類
杭施工計画報告書・杭施工結果報告書
杭施工計画報告書は、杭工事前に打ち合わせをする際に杭業者さんからもらいます。
書かれている内容を現場責任者と現場監理者が確認をし、問題なければ表紙(上記の図)にサインをします。
杭施工結果報告書も同様に、杭工事後に杭業者さんからもらいます。これは施工した時の数値が杭毎に記載されている書類です。
杭施工計画報告書同様に確認し、問題なければ表紙へサインをします。
杭工事が終わった後、根伐り工事で掘削し、杭頭処理後に杭芯が構造図と相違がないか確認します。
墨出し屋さんに測定を依頼しましょう。
測定したものを監理者へ確認をしてもらい、問題なければサインをしてもらいます。
構造計算上で問題がある場合は、監理者より指示がありますので指示に従い施工を行っていきます。
この監理者サインをもらった杭芯測定結果も、杭工事施工結果報告書のファイルへ一緒に挟んでおきましょう。
ちなみに杭芯からのずれの許容値としては
・場所打ちコンクリート杭 → 100mm以下
工事状況写真(杭工事)
杭の工事状況写真としては、杭毎に撮影をしていかなければなりません。
1本の杭でもかなりの写真撮るので、杭の本数が多ければ多いほどまとめるのが大変になります(泣)
撮影するものとしては盛りだくさんです。
場所打ちコンクリート杭を例とします。
・掘削バケット径(バケット毎)
・掘削状況
・ケーシング建込状況
・安定液試験(ベントナイト)
・ベントナイト注入状況
・支持層確認(土質サンプルと照合)
・掘削完了
・1次スライム処理状況
・鉄筋カゴ(主筋本数、全長、帯筋・補強リングピッチ、スペーサー高さ、
帯筋重ね継手長、鉄筋種類)
・鉄筋カゴ同士の重ね継手長
・トレミー管設置状況
・2次スライム処理状況
・プランジャー入れ状況
・コンクリート打設状況
これだけでも15項目あります。杭の工事状況写真も検査機関に提示を求められるので、杭毎にインデックスや付箋を付けてファイルにまとめましょう!
まとめ方
杭施工計画報告書・杭施工結果報告書は元々ファイルにまとめてあるものをもらうので、そのままでOKです。
写真は杭毎にインデックスや付箋を付けてファイルにまとめましょう!
まとめ
・コンクリート関連
・鉄筋関連(ミルシート)
・鉄筋関連(圧接、配筋写真)
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