Mt.Gox(マウントゴックス)事件の全貌を紹介 現在の仮想通貨法はこうして生まれた

仮想通貨は誕生してから10数年とまだまだ歴史が浅い。その中でも世間を賑わせたビットコイン流出事件がMt.Gox事件です。

歴史を学びつつ現在の日本の仮想通貨法も学んでいきましょう!

まずブロックチェーン技術について学びたい方はこちらからどうぞ。

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Mt.Gox事件

これは皆さん聞いたことのある事件ではないでしょうか。『ゴックスする=盗難されてしまう』という用語が生まれたのもこの事件からです。

Mt.Gox(マウント・ゴックス)とは、2009年にトレーディングカードの交換所として設立されましたが、2010年にビットコインの交換所として事業転換しました。東京都渋谷区に所在し、ビットコインの総取引量を約7割占めるほど有名な交換所でした。現在は事件によって破綻しています。

この事件は、2014年2月28日にユーザー保有分の75万ビットコイン(BTC)と自社の保有分の10万ビットコイン(BTC)が流出したものです。当時の価格は(1BTC=55000円)で約470億円に相当します。さらにユーザーからの預かり金も約28億円盗まれています。

事件の時系列

日時 出来事
2014年2月7日 システム障害を理由にビットコインの払い戻しを停止
2014年2月25日 ビットコインの取引を停止
2014年2月28日 記者者会見でビットコインの流出を発表

民事再生法適用申請

2014年4月24日 東京地裁は民事再生法適用申請を棄却

破産手続きを開始

2015年8月1日 自身の口座データを改ざんし残高を100万ドルを水増しした疑いにより、自社長であるマルク・カルプレス氏が逮捕される
2015年8月21日 ユーザーからの預かり金の3億2100万円を業務上横領したとして再逮捕される

なお社長であるマルク・カルプレス氏の疑いとビットコインの流出は別件になります。当然自身の口座を水増しした疑いから、ビットコインを流出させた犯人はマルク・カルプレス氏ではないかと言われていました。

しかし現在でもはっきりとした証拠がないため、真相は闇の中で犯人も捕まっておりません。

原因

ブロックチェーン技術の問題ではなく、取引所の管理体制が問題視されています。ホットウォレットととしてサーバー上で管理していましたが、何者かに攻撃され外部にビットコインが流出してしまいました。

・ホットウォレット
アプリやサーバーでのウォレット。送金が簡単に行えるが、サーバーを攻撃されると不正送 金される可能性がある。
・コールドウォレット
インターネットから完全に切り離されているウォレット。不正アクセスによって仮想通貨が盗まれることがないので、セキュリティーが最も高い保存方法。

ブロックチェーン上で不正が働いた場合は、トランザクションを見ればバレてしまいます。いざ不正をしようとするとチェーンで繋がっているブロック全てを改ざんしなくてはならないので、極めて困難です。本気で不正を働こうとしても莫大な金額、労力がかかるため、まず行おうとする人はいません。

法改正

この事件から日本では、資金決済法が改正され仮想通貨に関する条文が追加され、2017年4月1日に施行された『改正資金決済法』は『仮想通貨法』とも呼ばれています。法律では仮想通貨は下記のように定義されています。

~資金決済に関する法律第二条の5~
・一号仮想通貨:不特定の者に対して使用することができ、電子的に記録・移転でき、法貨でないもの
・二号仮想通貨:一号仮想通貨と交換できる財産的価値
仮想通貨交換業(仮想通貨の売買を提供する事業)にも定義付けを行いました。
~同法第二条の7~
・仮想通貨の売買・他の仮想通貨との交換、および取次または代理
・上記の行為に関して、利用者の金銭または仮想通貨の管理をすること
さらには、事業として行う場合には取引所を登録しなければなりません。下記の条件にクリアできた業者が仮想通貨交換業者として認められます。(金融庁より)
財務要件 資本金1000万円以上・純資産が負の値でないこと
受託暗号資産の適切な管理

暗号資産の流出リスクへの対応

・自己の暗号資産との分別管理※原則として信頼性の高い管理こ方法(コールドウォレット等)で管理

・ホットウォレット管理分見合いの履行保証暗号資産の保持

・顧客に対する優先弁済権の付与(受託暗号資産・履行保証暗号資産)

受託金銭の保全 自己の金銭との分別管理・信託義務
暗号資産の特性等の誤認リスクへの対応 ・利用者への情報提供・説明義務

・広告・勧誘規制

問題がある暗号資産による利用者保護上のリスクへの対応 利用権保護又は適正かつ確実な遂行に支障を及ぼすそれがあると認められる暗号資産の取扱禁止
AML/CFT 犯収法に基づく取引時確認等の義務
当局による監督・規制の実効性確保 ・帳簿書類の作成・保存義務

・公認会計士等による監査(暗号資産の管理の状況等)

・当局への事業報告書提出義務

・当局による立入検査・報告徴求・業務改善命令・業務停止命令

マルク・カルプレス氏のように自身の口座を改ざんしないように作られた条件です。また、サーバーに攻撃され盗まれないようにコールドウォレットを使う指定がある等ユーザーを守ることが必須です。守れなければユーザーから信頼性が低くなり使われなくなってしまうので当然ですよね。
令和4年2月28日現在で金融庁が出している暗号資産登録業者一覧になります。
国内取引するときは下記PDFの業者で行いましょう。
ちなみに令和2年5月1日に資産決済法の改正により『仮想通貨』→『暗号資産』の呼称に変更されましたが、ほとんど浸透しておらず日本では仮想通貨の呼び名で使われるのが主です。暗号資産とまともに使っているのは、CMぐらいです(笑)

まとめ

Mt.Gox事件で日本の法律が変わっていきました。過去の事件から懸念され新たに法律が定められてます。ブロックチェーンのトランザクションの不正で盗まれたことではないので、やはりブロックチェーン技術は素晴らしいものだと感じます。これから他分野でもこの技術は活用されていくことでしょう。

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