【現場監督】現場巡回で所長は何を見ている?現場を観る目を養おう

建築

所長が現場巡回しているけど、すぐに巡回終わってすぐに事務所に戻っていく姿を見たことはないでしょうか?

当時新米係員だった拙者も

ゾロ
ゾロ

巡回早ッ!何見てるんだろう?

と疑問に思ってました。

実はあの短時間で所長は要点を抑えて、現場巡回をしています。

あなたも現場を瞬時に把握できる『所長の目』を持ってもらえるために、拙者が解説をしていくでござる。

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資材の置き方

資材の置き方といっても、何通りもある。

・所定の置き場に置かれているか。(片づけをしているか)
・何日も資材が放置されていないか。(片づけをしているか)
・資材が作業通路の妨げになってないか。(つまづき転倒の恐れになる)
・リース品がなくなってないか。(管理できているか)

所定の置き場に置かれているのか

工事をするときに資材で溢れかえっていたら、作業も捗りません。

その状態で作業をしていたら、資材につまづき転倒することもあります。

あと作業後の片づけも仕事のひとつです。

もし片していない業者さんがいれば、注意をして片してもらいましょう。

日々片づけをしていれば、どの資材が何個あるかも把握できるのです。

何日も放置されている資材はないか

何日も放置されている資材は、たいてい不要の場合が多いです。

誰のものが分からなければ、作業員が全員集まる朝礼時に聞いてみましょう。

そして捨てるか持ち帰ってもらうかをしてもらいます。

現場監督でも資材を放置する人はいますが、絶対にやめましょう。

型枠大工さん
型枠大工さん

監督が片してないのに注意されても、説得力ないよ。

と言われてしまったら、職人さんは監督の言うことを聞いてくれなくなります。

資材が作業通路の妨げになってないか

作業通路とは、通路上に歩行を妨げるものがなく安全に通れる場所です。

上記画像のようにスラブにスプレーを吹いて、作業通路を見える化します。

もしそこに資材を置いて歩行を妨げるようであれば、該当業者さんにどかしてもらいましょう。

ただし狭い現場だとやむを得ず仮置きすることもあるので、いつまでになくなるか聞いて他業者さんにもアナウンスしましょう。

最低でもフロアーの端から端までいける通路は確保すべし!

リース品がなくなってないか

現場でやることを済まして事務所に戻ると

現場所長
現場所長

そういえばゾロ。

あのリース品どこにあるの?
(実はどこにあるか知っている)

ゾロ
ゾロ

(やべッ)。
分かりません…

みたいなやり取りが発生しませんでしたか?(笑)

ちなみにリース品がなくなると滅失(めしつ)といって、リース業者さんに弁償代を支払わないといけません。

あとリース品は、1日いくらでのリースが主流なので使用してなければ、返却した方が無駄な出費が抑えられるのと、現場もきれいになります。

 

係員の方が現場に長い時間いるのに、所長の方が現場を把握しているんですよね。

所長は上記のことを意識しながら、現場巡回をしています。

現場に長い時間いても、意識をしない限り現場を把握することができないのです。

せっかく所長より長い時間現場にいるのなら、所長に負けないように現場を把握しましょう!

まずは意識するところから始めます。

すぐには身に付きませんが、続けていけばいつのまにか定着しています。

職人さんの作業状況

職人さんの作業状況は、何を見ているかというと

・予定通りの作業になっているか。(予定通り終わるのか)
・危険作業をしていないか。
・職人さんの顔色。(体調は悪くないか)
・図面通り進んでいるか。(図面が間違っている可能性もあります)
・他業者と作業がラップしていないか。

予定通りの作業になっているか

作業が予定通り進んでいるかを確認するのは、工程を管理するにあたって重要になります。
その工事が予定通りに終わるか、遅れていれば増員を依頼するか工程を伸ばすかといった次の手を打つための判断材料になるからです。

危険作業をしていないか

また安全管理をするためにも、職人さんが危険作業をしていないかの確認をします。
・高所作業時にハーネスを着用しているか。
・開口部を背にして作業していないか。(転落する恐れがあるため)
・工具使用時に保護具を付けているか。
・重量物を一人で持ってないか。
危険作業をしていたら、注意して中断させるのが現場監督の役目です。
職人さんにケガをしてほしくないのももちろんですが、最悪死亡災害が起これば社長、現場所長が逮捕されることもあります。
『ケガをしないで作業をする』意識をしてもらうためにも、朝礼や昼礼でもアナウンスをしておきましょう。

職人さんの顔色

ゾロ
ゾロ

うわぁ…この職人さん顔怖いな~。

の顔を見るのではなく、体調が悪くないかを見るのです。(確かにいる!否定はしない)

もし体調が悪そうであれば、事故につながるので作業を控えさせて休んでもらいましょう。

図面通り進んでいるか

建物を図面通りに建てる管理をするのが、現場監督の腕の見せ所です。

図面を持ち歩いて、寸法通りか測定もしてみるといいです。

たまにあるのが、そもそも図面が間違っていることがあります。

それを防止するためにも、早めに施工図を作成して職人さんにも見てもらいましょう。

そうすれば間違いが減るので、スムーズに工事が進みます。

あと職人さんに渡す前に何度もチェックすることを忘れずに!

他業者と作業がラップしていないか

ラップとは、同じ場所で複数の工事が行われていることを言います。

その作業間調整をするのが、現場監督の仕事です。

どうすれば発生しないかというと、朝礼・昼礼時にどの業者さんがどこで作業をするかをアナウンスします。

やむを得ずラップするのであれば、区画を分けて作業してもらいましょう。

アナウンスがなかったり、急に他業者さんが入ってきたりすると喧嘩になります。

大工さん
大工さん

おい!ゾロ!

今日鉄筋屋さんがここで作業するなんて言ってなかったじゃねーか。

ゾロ
ゾロ

すみません…言い忘れてました。

現場監督が現場の状況をすべて把握しなくては務まらないのです。

仮設機材

今度は仮設機材。

・足場上に資材が置かれてないか。
・足場の部材が不足していないか。
・タワークレーンのワイヤーが乱巻きになっていないか。
・強風時にタワークレーンを使用していないか。

・工事用エレベーターが正常に稼働しているか。

足場上に資材が置かれてないか

足場上に資材が置かれていると、通行もできないし、つまづく原因にもなります。

それと資材が下階へ落下し、作業員に落下物が直撃でもすれば、最悪死亡災害が発生します。

これが足場上に資材を置いてはいけない理由です。

足場の部材が不足していないか

足場材の部材ひとつひとつが、作業員を落下させないためにあるのです。

ひとつでも欠けていれば、安全性が損なわれるため事故につながります。

足場の部材が不足していれば、早急に手配をしましょう。

布材が不足していてストックがない場合は、クランプと単管パイプで手すりを応急処置で作成しましょう。

また作業も伴って外されていたら、外した人に元通りにするよう指示をすること。

タワークレーンのワイヤーが乱巻きになっていないか

タワークレーンのワイヤーの巻き取りが乱雑になることがあり、このことを乱巻きといいます。

あとたまにワイヤーがねじれることがあります。

このような状態で使用しているとワイヤーに負担がかかるため、断線するおそれがあります。

揚重に断線したら、吊荷が落下し最悪死亡災害が発生します。

ワイヤーの乱巻きやねじれいたら、業者さんを呼んで直してもらいましょう。

強風時にタワークレーンを使用していないか

強風時にタワークレーンを使うと、吊荷がゆらゆらと揺られて不安定になります。

強風で煽られた状態で、無理やり揚重すると吊荷の落下や近接した隣地建物に接触する恐れがあります。

瞬間風速が毎秒15mを超過した場合は、タワークレーンの使用を中止させましょう。

工事用エレベーターが正常に稼働しているか

工事用リフトを使用していると、異常音や振動が発生することがあります。

また雨天時は漏電し、工事用エレベーターが動かなくなることもあります。

発覚したら、業者さんを呼んで直してもらいましょう。

まとめ

●資材の置き方
・所定の置き場に置かれているか。(片づけをしているか)
・何日も資材が放置されていないか。(片づけをしているか)
・資材が作業通路の妨げになってないか。(つまづき転倒の恐れになる)
・リース品がなくなってないか。(管理できているか)

●職人さんの作業状況
・予定通りの作業になっているか。(予定通り終わるのか)
・危険作業をしていないか。
・職人さんの顔色。(体調は悪くないか)
・図面通り進んでいるか。(図面が間違っている可能性もあります)
・他業者と作業がラップしていないか。

●仮設機材
・足場上に資材が置かれてないか。
・足場の部材が不足していないか。
・タワークレーンのワイヤーが乱巻きになっていないか。
・強風時にタワークレーンを使用していないか。

・工事用エレベーターが正常に稼働しているか。

現場巡回では観るところが、盛りだくさんということが分かったと思います。

所長は短時間の現場巡回でも、この量の項目を確認しているのです。

事故はあってはならないため、危険作業がないか仮設機材に異常はないかと神経と研ぎ澄まして観ている。

もちろん監督である係員にも必須のスキルだ!

あなたの注意で事故が減るのです。

意識して少しずつ現場を観る目を養ってください!

最後まで読んでいただきありがとうございます!

ご意見等ございましたら下記に記載願います!

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