躯体上棟後に屋上でアスファルト防水工事がある。
アスファルト防水は、歴史が長く信頼性のある防水工事となります。
今回は保護防水(シンダーコンクリート)までの施工の流れと管理ポイントについて順番に解説していきます。
※アスファルト防水の施工1週間前に所轄の消防へ施工する旨を連絡しておきましょう。
(煙が上がるので火事だと思われるため…)
コンクリートの含水率測定
アスファルト防水前に行うのがコンクリートの含水率測定だ。(写真撮影する)
高周波水分計を使って測定していくのだが、含水率が8%以下のときが施工するのにベストです。
(メーカー情報)
だいたい上棟後の2週間程度の期間をあけると覚えておくといいでしょう。
含水率が高い状態で施工をすると、水分の逃げ場がなくなりのちのち防水層が膨れてしまうので注意しよう!
あと防水層が切れないように、コンクリートの表面はよくケレンしておきましょう。
それと立ち上がり部分のコーナーと立ち上がりと床の取り合い部はモルタルを塗って70°で面取りをしましょう。
(防水層が切れないようにするため)
水性プライマー塗布
コンクリートの表面に水性プライマーを塗布していきます。
これはこれから張っていく防水層がコンクリートに密着するように下地を処理するために塗布します。
画像のようにコンクリートの表面が黒くなっていきます。
状況写真を撮っておきましょう!
防水層張り
防水層は全部で3層張っていきます。
接着剤の役割としてアスファルトを融解して液体状になったものを流し、その上に防水層を貼っていきます。
それぞれ平場 → 立ち上がりの順でシートを張り、3層目は表面がザラザラした砂付きのシートになります。
管理ポイントとしてはシート同士のジョイント部は100mm重ね張りをすることです。
立ち上がり部も含めて3層とも共通なので、すべて写真撮影をしておきましょう!
またドレン廻りや通気管廻りも同様に100mm重ね張りをします。
水張試験
すべての防水層が張り終わったら、防水層が切れていないか、ドレン廻りから漏水していないかを確認するために水張試験をします。
JIS等には記載されていませんが、品質を確保するためにしておいた方がいい工程です。
水を全体的に24時間張り、水面のレベルが下がっていないか確認をします。
水を溜めるのには、ハイウォッシャーを使うといいです。
立ち上がり部にガムテープで任意のレベルを書き、水面までの高さを測っておきましょう!
24時間後に下がっていなかったら、漏水していないので水を水中ポンプ等で抜きましょう。
ドレンの穴をふさぐのに風船を入れるやり方もありますが、割れたりしぼんだりして役に立ちませんでした(泣)(体験談)
オススメの製品は円盤の寅です。
断熱材敷き込み
漏水がないか確認が終わったら、断熱材を敷き込んでいきます。
断熱材の厚みは意匠図の断面図等に記載されているので、確認しておきましょう。
防水層同様にアスファルトを接着剤として、張っていきます。
ドレン廻りは150~200mm空けて張り、シンダーコンクリート打設後にモルタルでドブを作ります。
絶縁シート張り
断熱材の上に絶縁シートを張って断熱材を保護します。
伸縮目地張り
伸縮目地はシンダーコンクリート打設後に、コンクリートが乾燥して割れないように設ける目地になります。
伸縮目地の張るピッチ等についてはこの記事で詳しく解説してますので、参考にどうぞ!
ワイヤーメッシュ敷き
ワイヤーメッシュもコンクリート打設後に割れないように敷いていきます。
ワイヤーメッシュの径とピッチは意匠図を確認して手配しましょう。
ワイヤーメッシュ用のスペーサーがあるので、手配を忘れずに!(スペーサーは1.3m2に1つ配置)
シンダーコンクリート打設
最後にシンダーコンクリート打設をして、防水層、断熱材を保護します。
打設時の注意点としては、伸縮目地を蹴っ飛ばして壊さないようにすることです。
コンクリートを均して完了です。
まとめ
②水性プライマー塗布
③防水層張り(3層、平場と立ち上がり部)
④水張試験(24時間)
⑤断熱材敷き込み
⑥絶縁シート張り
⑦伸縮目地張り
⑧ワイヤーメッシュ敷き
⑨シンダーコンクリート打設
施工する前にこの記事を読み込んで、管理していきましょう。
伸縮目地をいかにキレイにピッチ割をするのが、現場監督の業になりますので目地割記事も読んでおこう!
最後まで読んで頂きありがとうございます!
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