着工前にすることリストの第2弾の記事です。
今回は着工前にする近隣・書類関連について解説をしてきます。
現場編の記事はこちらからどうぞ。
近隣挨拶
工事着工前の1か月ほど前から、工事のお知らせとして近隣挨拶に行きましょう。
下記のような挨拶文をお渡しして、工事について少し説明をします。
・工事中は振動や騒音が発生する旨を伝える。
・ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
家屋調査
家屋調査は計画敷地に接している土地の建物を対象に、工事前と工事後の2回行います。
調査としては主に外壁と土間(入居者さんの希望があれば家の内部)として工事前に現状の状態として写真撮影をします。(外壁のキズや土間のクラック等)
工事後に撮影した写真と工事前に撮影した写真と見比べて、工事に伴って影響があると判断したものは元請け負担で補修することもあります。
近隣挨拶のときに、家屋調査をさせていただく旨を説明しておきましょう。
マンションの場合は管理会社に連絡をして、許可をもらって家屋調査をします。(エントランスに管理会社の連絡先が記載されているはず)
家屋調査結果報告書の例をPDFで添付しておきますので、ご参考に。
このご時世怪しまれることもあるので、近隣挨拶の際の家屋調査説明時に名刺を渡しておくといいです。
建築工事施工計画報告書の作成・提出(東京都のみ)
計画建物が地上階数が3以上かつ500平方メートルを超える木造以外の建築物かつ、東京都での施工の場合は、建築工事施工計画報告書が必要になります。
この書類は、着工前に所轄の役所に提出する必要があります。
提出書類は、下記の公益財団法人 東京都防災・建築まちづくりセンターのサイトの『8.建築工事施工計画等提出書類』を参照してください。
また2階の床及びこれを支持するはりに鉄筋を配置する工事が完了(1階立ち上がりコンクリート打設前)したときに、中間検査を受ける必要があります。
中間検査のときに提出する建築工事施工結果報告書と、着工前に提出する建築工事施工計画報告書の作成方法は、似ているのでこちらの記事を参考に作成してみるとスムーズに終わります。
その他必要書類は、所轄の役所ごとに異なりますので窓口で聞くかネットで調べてみましょう。
承認図の確認
承認図とは、設計者が確認申請機関に申請し承認を得た図面のことを言います。
・構造図
・機械設備図
・機械電気図
まず確認する事項として、当計画建物の高さが31mを超えるかどうかです。
超える場合は、このあと解説をする建設工事計画届を作成し申請する必要があります。
他には、
・PS(パイプスペース)やEPS(盤室)が梁に干渉していないか。
を承認図を見て確認しておきましょう。
整合性が取れていなければ、質疑書を作成し設計者に協議をします。
設計者の回答に沿って工事を進めます。
またPS(パイプスペース)やEPS(盤室)が梁と干渉すると、上下階に配管・配線ができないため位置をずらさないといけません。
割と整合性が取れてなかったり、梁に干渉している図面はあるので最低限チェックして解決していきましょう。
建設工事計画届の申請
建設工事計画届は高さ31メートルを超える建築物、もしくは工作物の建設などに着手する際に提出しなければならない書類になります。
必要書類としては、
・工事概要
・現場案内図
・意匠設計図の写し
・工事工程表
・地質調査図
・埋設物調査図
・総合仮設計画図
・本杭打設計画図
・土止め支保工・乗り入れ構台計画図
・根伐計画図
・鉄骨建方計画図(鉄骨造の場合)
・鉄骨吊り足場計画図(鉄骨造の場合)
・外部足場計画図
・型枠足場計画図
・型枠支保工計画図
・コンクリート打設計画図
・安全衛生管理計画書
また着工して足場等の変更がある場合は、変更届も提出しなければなりません。
予算組
最後に当計画建物の施工にかかる予算組をします。
現場編の記事で解説した仮設工事の計画から、各工事にかかる人工・材料費・運搬費などをすべて算出して、請負金額内に収めかつ利益が出るように予算を組んでいきます。
現場編の記事はこちらから。
材料費は市場に出回っている単価を把握する必要があります。
各工事についての予算組は、工事ごとに業者さんに見積もりを何社かに依頼して判断することになります。
時期によっては材料費の高騰も考えられますので、取極めできるのであれば早めに取極めして、費用を抑える工夫をしましょう。
様々な計画をすべて終えてから予算を組んでいかないといけないので、着工前の準備で一番ウエイトが重い業務かと思います。
まとめ
・家屋調査
・建築工事施工計画報告書の作成・提出(東京都のみ)
・承認図の確認
・建設工事計画届の申請
・予算組
現場編同様にやることが盛りだくさんです。
こちらも所員と手分けして進めていきましょう。
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