足場の割付で困っている現場監督へ 図解で割付を解説

所長に足場の割付を任されたけど、全然まとまらない…

規定の部材で書こうなんて無理やろ(怒り)

全然まとまらず数日が経過…orz

その気持ち分かります(笑)

部材寸法は半端だし、最後に部材と部材がつながらなくて最初から考え直し。当初拙者も取り組んでみましたが、全然まとまらず数日が経過。結局時間切れになり所長にやってもらいました(笑)

でもそんな日々とはもうおさらばしましょう!

ゾロ
ゾロ

この悩みを解決したいので、考え方と割付方法を伝授するでござるよ!

 

スポンサーリンク

足場の部材を把握しよう!

まずは、足場の部材寸法から確認していこう!基礎知識がないと割ることもできませんからね~

今回は次世代足場(クサビ足場)の寸法になります。

アンチ、布材、ブレースの主な部材寸法

1829、1524、1219、914、610mm

実際これだけだと上手く割れないので、これの他に布材は360、305、153mmがあるので活用していきましょう。
それがこれ!(次世代足場 アルバトロス)
以前の枠組み足場だとなかった布材の360、305、153mmが使えるのはかなり心強いです!
これらを駆使して割っていきます。

割付の手順を身に着けよう!

建物と敷地形状の把握

まずは建物と敷地形状を見てみましょう。どこを見ていくかというと

・上階になると現れる庇やはねだしのバルコニー
・計画建物と隣地との離れ
1階の形状で足場の割付をしていると上階には庇やはねだしのバルコニーが出現!また割直し…とならないように1階から屋上までの平面図を見ていきましょう。
建物のベースは屋上で考えていく。もしセットバック部があれば、別で足場の図面を描いていく。
計画建物と隣地との離れが狭いときはブラケット足場になります。隣地から越境しないように計画していきましょう!

建物の外周部全体に300mmで外周線を書く

足場と建物の離れはだいたい250~300mm程度がよいとされている。理由としては、人が落ちにくいということ、外部の型枠を建込めて施工幅も取れる状態にするためです。

これは必ず守って計画しましょう!万が一400mmの幅で組んで労基監督署に現場を見られたら、組み直しを余儀なくされます。

まぁーこれが実際難しいんだよね…

部材寸法は基本1829mmで考える

この理由としては、組む時に細かい部材が減るので組む時間も短縮できるからです。

どうしても割れないところは細かい部材になっちゃうんだけどね…

クサビ足場の支柱の抱き合わせ寸法の最小値を知ろう!

どうしても規定の寸法で割れないときに支柱間が密接に配置しないといけない場面が出てきます。

そのときの支柱間の最小値は110mm。これはクサビがあるため単管パイプのようには抱き合わせができないのです。そのときの布材は単管パイプとクランプを使いましょう!

ちなみに単管パイプの抱き合わせの最小値は70mm。これも覚えておきましょう!

実際に足場の割付図を書いてみた

こんな建物形状の足場の割付図を書いてみました。

L型の建物ですね。ちなみに割付の完成はこちら。

PDFデータで見たい方はこちらをどうぞ!

上記の割付をどのように割っていくかを解説していきます。

まずどこから割付けていくかというと、最後に調整のしづらいところから始めます。書き始めたはいいものの最後に足場がうまく接合できないのを避けるためです。

例えばこのような形。

順調に書けていたのに最悪…接合できないじゃないか!

これに苦しんで書けないんですよね(笑)

12mの直線部分ではわりと調整しやすいので、短いスパンのコーナー部から割付けをしていきましょう。この形状では、くぼんでいる部分から割付け始めます。

建物外周部に300mmで外周線を書いてから

1829mmで割付を考えてみると、1829×3=5487mm 残り513mm

610mm入れると6097mm

うーん。上手く割れず初っ端からつまづく。

そうだ!360、305、153mmも駆使していけばいいんだ!

1829 × 2 + 1524 + 610 + 153 = 5945mm
6mに近づきましたね!実際に書いてみると
縦も6mだから今の割付をコピーして
きれいに納まりましたね!ちょっとアレンジしてあげて
610×2の部分を1219mmに変更してあげれば、部材が減って組みやすくなる。
次は建物と足場の離れの数値も加算した6.6mの部分を割付けていく。
先ほど6mの割付に610mmを足してあげれば、うまくいきそうですね~
1829 × 2 + 1524 + 610 + 610 + 153 = 6555mm
→1829 × 2 + 1524 + 1219 + 153 = 6554mm
足場の離れも254mmと大丈夫そうですね!
次は12mの直線部分の割付をしていくよ~
ひたすら1829mmで書いていくと
1829mmを7スパンで残り351mm
360mmを使うと建物と足場の離れが300mm以上になってしまうので、305mmを使えば納まりますね!
ただ部材が増えるので914mmを足してあげます。そうすると…
建物と足場の離隔を300mm取っても563mmになる。
610mm幅で上の12mスパンも割れそうですね!
実は…上のスパンはもう答えが出ているのです!下の6mスパンで割った足場をそのまま使えちゃうのです!
そのまま上にスライドすると…
上下の足場の面も合ってくるし、考えなくていいから一石二鳥。残りは1面だけ。
もう一息だぜ~
7773mmを計算して割付けていくと
1829 × 3 + 1524 + 610 + 153 = 7774
1mm合わない理由は、最初に610×2→1219へ変更したからです。誤差なので問題ありません。
無事に割付けられましたね~
お疲れ様でした。建物と足場の離隔も240~300mmと問題もなさそう。
いや…ちょっと待てよ。153mmにしたところアンチが入らないから、開口部になってるじゃん!
そんなときにはこれ!
コーナーステップというものを入れます。アンチを支えている布材に取り付けるだけ!
あとは昇降設備の階段を各面に入れてあげれば完成~
610幅で階段を追加すると通行しやすいのでオススメ。

おまけでもう1パターン書いてみた

もう一つの方は割と現実的にある建物形状。それがこちら。

上には各階にはねだしのバルコニー、下には1階のみはねだす庇。

ちなみに割付の完成はこちら。

PDFデータで見たい方をこちらをどうぞ!

では足場割付をしていきましょう!

さっきと考え方は一緒で、最後に調整すると大変そうな狭いところから割付けていきます。

建物外周部に300mmで外周線を書いてから

2m部分の割付を考えると

914 × 2 + 153 = 1981mm
(1829 + 153 = 1980mmでも良い。上記の割の方が上手くいったので不採用)
次はバルコニー廻りを割っていきます。上に1219mm足してあげると…あれあれ…
建物と足場の離隔が319mmになってる。なので、下へ19mm足場全体を移動。
バルコニーの上部(300+6000+300=6600mm)の割付は
1829 × 3 + 914 + 153 = 6554mm
左右のバランスを取るために35mm移動しました(アレンジ)
バルコニーの側面は同じになるので1219mmで割ってあげよう。
もう何度か6mの割付は行っているので、お手の物だね!
1829 × 2 + 1524 + 610 + 153 = 5945mm
続きましては12mの直線部分の割付。ひたすら1829mmで書いていくと
1829 × 6 + 1524 + 1219 = 13717mm
そうすると建物と足場の離隔を300mmとして、残り526mm
これだと610mm幅が入らないので、足場全体を60mm下へ移動。
現状の足場から建物まで886mm
886 – 610 = 276mmなので大丈夫ですね!
反対面もコピーして割付。
やっとここまで来ましたね!もう一息~
次は4mの方から割付していきます。
1829 × 2 + 305 = 3963mm
1474mmの面には1829 + 153 = 1982mmで割って8mの面へ
建物と足場の離れを考慮すると約8.6m
1829 × 4 + 1219 = 8535mm
最後は1982mmとなりました。
1829 + 153 = 1982mm
ピッタリ割れましたね~
庇上部の壁を仕上げられるように庇の上にも足場を建ててあげよう!
あとは、階段とコーナーステップを加えて完成~
お疲れ様でした!!

まとめ

布材の部材寸法
この寸法を駆使して割付をしていこう!

1829、1524、1219、914、610、305、153mm

手順のおさらい
①建物と敷地形状の把握
②建物の外周部に300mmの外周線を書く
③部材寸法は基本1829mmで考える
④305、153mmで割付した箇所にはコーナーステップを入れる
足場の割付の考え方さえ分かっていれば、どんな建物形状でも割付をすることができます。
あとは練習あるのみ!書いては部材の調整、足場全体を移動して建物との離れを調整していく。
あなたの業務の糧になれば幸いです!
足場を書き終えたらシートの拾いも忘れずにね。
拾い方を学びたい方はこちらの記事もどうぞ!
最後まで読んで頂きありがとうございます!
ご意見等ございましたら下記に記載願います!

コメント

タイトルとURLをコピーしました