建物が高ければ、基準階が存在する。
基準階とは同じような平面を持つ階のことをいいます。(梁成などは変わるので構造図を要チェック!)
基準階を施工する時に、躯体サイクルをつくっておけばあとは楽チン!
今回は躯体サイクルの流れを歩掛とともに解説をしていきます。
(型枠解体を割愛します)
足場・タワークレーンせり上げ
躯体サイクルの初日は、足場とタワークレーンをせり上げます。
足場のせり上げの高さとしては、上階のスラブレベルまで作業床を上げ、手すりを設けます。
タワークレーンは、足場の手すりより上へマストを追加してせり上げをします。
ちなみに足場の割付方について知りたい方は、こちらの記事をどうぞ!
墨出し
躯体の通り芯あるいは通り芯から1~2m逃がした位置に墨出し(親墨)をします。
躯体打設後の翌日に墨出屋さんに早出をしてもらい、墨出しをします。
理由としては、他業者がいたり資材がある状況では出せないためです。
これが躯体をつくっていくための基準になります。
あとは内部の壁芯を出したり、足場もしくはタワークレーンのポストにレベル墨を出します。
小墨出し&敷桟
通り墨、壁墨を頼りに壁面の墨出しをすることを小墨出しをします。
そのあとは小墨に合わせて型枠建込む前に敷桟をします。
これは型枠の土台の役割をします。
敷桟設置後は、床コンクリートが必ずしもスラブレベル±0で打たれているわけではないので、敷桟の上に薄い木端を付けてレベル調整をしていきます。
型枠建込&墨出し
敷桟の上に外部側の型枠を建込んでいきます。
また壁配筋ができるように画像のようにセパレーターを付けます。
裏は画像のようになっている。
型枠の側に単管パイプを横に流し、フォームタイという金物で固定します。
ちなみに型枠の歩掛としては人によりますが、一日10~15㎡/1人が一般的です。
型枠の平米数は、壁の内外部と階段、スラブ部分の合計が1フロア分になります。
実際に型枠大工さんに聞いてみては!!
このあとに壁配筋がはじまるのですが、壁に給気口等が入る場合はその位置を墨出しをします。
壁配筋&配筋検査
鉄筋屋さんが壁配筋をしていきます。
※サイクル工程では、柱配筋は梁配筋時と同じタイミングで配筋します。
雑壁、耐震壁、エレベーター壁と壁にもそれぞれ符号があるとともに、構造図に配筋要領が載っています。
鉄筋屋さんが配筋し終えたら、配筋検査を行います。
配筋検査員を呼んで、構造図通りに配筋されているかを確認してもらいます。
イレギュラーとして構造図の通りに配筋できない場合があり、その際は構造監理者へ文面で質疑をしなければなりません。
出来ない理由とどうすれば配筋ができるかを提案して、相談してみましょう!
これは配筋する前に行い、配筋検査時にも構造監理者と協議した質疑書を検査員に見せましょう!
検査時に指摘されたものは、直して合格が出たら型枠を返していきます。
ちなみに鉄筋の歩掛としては、0.8~1t/1人が一般的です。
型枠返し&スラブ張り&墨出し
配筋検査に見事合格したら、型枠の内側を返していきます。(ふさぐこと)
外型枠の建込と同じ要領です。
その後、梁を架けてスラブをつくるためにコンパネ(表面加工したベニヤ)を張っていきます。
梁、スラブの型枠を支えるために支保工を使い、同時にレベルも合わせていきます。
スラブが張り終わったら、梁、スラブに入るスリーブ等の開口とスラブ内に壁ができる箇所には墨出しをします。
柱・梁配筋&圧接
梁配筋はまず画像のように上筋を鉄筋馬とパイプを使って支えます。
理由としては、梁内にスリーブを入れるためです。
スリーブが入れ終わったら、タワークレーンかハリキンジャッキを使って梁落としをします。
梁主筋のスパンが長く、1本もので配筋できない場合は圧接をして繋ぎます。
圧接屋さんが来ている時に、同時に柱主筋も圧接していくのがセオリーです。
スラブ配筋&壁差筋&段差枠
梁配筋が終わったら、スラブ配筋をしていきます。
部屋のスラブになる部分、バルコニーになる部分で符号が異なるので、構造図を確認しましょう。
その後壁の縦筋を差筋していきます。(長さは重ね継手長以上を確保)
壁配筋同様に配筋が終わったら、配筋検査を行います。
合格したら、段差になるスラブ部分に浮かして型枠(段差枠)をします。
コンクリート打設
いよいよコンクリート打設をします。
階段① → 壁 → 梁 → 階段② → スラブといった手順かつ打継時間を守って打設をしていきます。
ジャンカが出ないようにバイブレーダーの振動で、コンクリート内の空気を逃がして密実なコンクリートに仕上げましょう!
まとめ
②墨出し
③小墨出し&敷桟
④型枠建込
⑤壁配筋&配筋検査
⑥型枠返し&スラブ張り&墨出し
⑦柱・梁配筋&圧接
⑧スラブ配筋&壁差筋&段差枠
⑨コンクリート打設
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