【現場監督】様々な図面作成の進め方 作成タイミングも解説

建築

工事が着工するとさまざまな図面を作成しないといけませんよね。

ありすぎてどれから手をつけていけばいいか分からない方、これから図面を描いていこうという方向けに発信していきます。

割と中堅者向けになると思います。

この工事ではこの図面を進めようといったタイミングも併せて解説していきます。

※割とボリュームのある記事なので、要所要所でこの記事を見ることをオススメします。

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着工前

着工する前に設計者より、意匠図、構造図、設備電気図をもらいます。

まずこれら全てに目を通す必要がありますが、意匠図をぼんやりと見てから設備電気図を見るといいです。

というのも、ライフラインになる配管ルートが図面通り施工できるかが、デザインよりも重要になってくるからです。

いくらかっこいいデザインでも

ゾロ
ゾロ

配管スペース(PS)ここじゃダメじゃね…

となると建物は建てても、水が出ない流せないと大ごとですよね。

現場監督としては、正直デザインはどうでもいいです(辛辣)

まれに納まってないことがありますので、先に設備業者と打ち合わせをして納まるか確認してもらう必要があります。(本来は設計者の仕事ですが…)

設備、電気の納まりをどう見ていくかというと

仕上げ床、天井レベルを意匠図で確認し、構造図を見て懐がどれだけあるか確認。
使用する配管の径や勾配がどれだけ必要か、配線は通るのかを設備電気業者と打ち合わせをする。
要するにライフラインを施工するスペースが確保されているか確認します。
あとサッシ業者へ意匠図を渡し、サッシ図を作成してもらう必要があります。
作成までに3週間ほどかかりますので、すぐに送りましょう。
というのもサッシ開口が分からないと、施工図が描けないからです。
キッチン、木建、エレベーター図も作成してもらう依頼もしましょう。
平面詳細図を作成するのに必要なものです。
他にも杭工事後の山留図面が必要になるので、構造図(特に柱状図が大事)を山留業者へ渡して山留の検討もしてもらいましょう。
ここまでは準備です。

必要な作成図面

この時期は仮設図が必要です。

仮設図とは、足場、タワークレーンといった工事を進めるうえで必要な設置物、仮囲い、休憩室(詰所)、仮設トイレ等を載せた図面です。

まだ足場図面までは必要ではないですが、おおまかにタワークレーンの位置は検討しておきましょう。

仮設図も何個かあって

・杭、山留、根伐工事中の詰所、仮設トイレの位置
・躯体工事中の足場、タワークレーン、詰所、仮設トイレの位置
・各工事中の打設、搬入出、敷き鉄板の形態図

 

躯体工事が始まる前までは、詰所の位置は変更することが多々あります。

 

杭工事中

杭工事をするための図面は構造図に杭伏図があるので、心配いりません。
杭工事中に山留図、サッシ図ができあがってもらえると思います。
山留が躯体や埋設配管に干渉しないか確認しましょう。もし埋設配管に干渉する場合は山留を引抜くか、溶断する必要がでてきますので、どう進めるかまで考えておきましょう。
サッシ図は躯体の梁に干渉しないかを確認しましょう。
干渉する場合はサッシの高さを小さくする必要があります。ただサッシの大きさは、採光率、天空率が関わってきますので迂闊に変更できません。
設計者に納まらない旨を伝え、どうするか回答をもらいましょう。
サッシ図ができあがったら、ガラス業者と額縁を作成してくれる業者へ図面を渡してガラスと額縁を手配できる状態にしておきましょう。

必要な作成図面

・根伐図
・基礎伏図
・1階床伏図
・埋設配管図(外構仕上げレベルも)

杭工事は現場の規模によりけりですが、1ヶ月ほどの期間がありますので、ここでどれだけ図面を作成できるかが肝になります。

山留図のチェックが終わったら、根伐図を作成しましょう。

根伐図の描き方についてはこちらの記事で解説しています。

基礎伏図と1階伏図も作成しておきたいところ。

というのも基礎配筋、型枠をする際に材料の拾いだしができないので業者さんからほしいと言われます。

あと設備電気業者へ埋設配管図を作成してもらいましょう。

というのも躯体が上棟してから埋設配管を施工してもいいのですが、躯体がない状態の方が埋設配管がしやすいのです。

1階スラブ打設をしてから埋設配管工事をするのが工期短縮をするコツです。

埋設配管図と併用して外構の仕上げレベルは決定しておきたいところ。

設計図通りで納まらないことが多々あるので、外構工事直前にレベルの検討をしていると手遅れになるパターンが多いです。

それとこの時点で外構仕上げレベルを決めておくと、根伐工事中に外構の段取り(予め仕上げ床付レベルまで掘削)もできるので一石二鳥です。

 

山留、根伐工事中

山留~根伐工事中も割と時間があるので、ここでもガツガツと図面をすすめましょう。

外構仕上げレベルが決まると、山留の天端レベルもおのずと決まってきます。

外構仕上げレベルに山留があると溶断することになってしまいますからね。

必要な作成図面

・地足場図
・足場図
・階段図
・1、2階平面詳細図
・1、2階見上げ図
地足場は基礎配筋をする際に必要になる仮設足場です。
詳しくはこちらの記事を書いたのでどうぞ!

足場図もこの時に作成して、鳶業者と打ち合わせをしておきましょう。

タワークレーン、ロングスパンの位置の検討も必要になります。

足場図面の作成方法はこちらの記事をどうぞ!

 

階段図は各階の蹴上の高さ、仕上げレベルを考慮した踊り場のレベル、ドレン計画を最上階まで作りましょう。

階段の踏面、蹴上の寸法は建物の用途によって異なりますので、意匠図を確認しておきましょう。

 

 

1、2階平面詳細図もほしいところ。

この図面にサッシを反映させて、間仕切りや天井高さを設備電気業者と意匠図通りで納まるか打ち合わせをしましょう。

もし納まらない場合は、設計者と打ち合わせをして変更箇所を議事録に残しておきましょう。
躯体→内装の順番なのに先に平面詳細図を進める理由としては、内装が納まりによって躯体寸法が変わることがあるからです。
逆に平面詳細図が完成したら、間仕切りをなくしてスラブ、梁、柱符号や躯体寸法を記載するだけで躯体図が出来上がってしまうのです!
なので、平面詳細図 → 躯体図の順で作成しましょう。

基礎工事中

事前に作成した地足場図をもとに地足場を組んで、基礎工事を進めます。

また基礎伏図から拾いだしをした鉄筋、型枠材を使って図面通りに施工していきます。

ここからは現場に出る頻度が以前より増えるので、図面の進みが遅くなりがちです。

必要な作成図面

・平面詳細図(基準階)
・躯体図(基準階)

3階以降から基準階に入ると思います。

もし基準階がなければ、各階の図面が必要になります。

基準階を作成するにあたっての注意点は、梁成・幅が変わったりするので確認しておきましょう。

変わった階で図面を作成し、材料の拾いだしをしてもらいます。

ちなみに型枠業者は材料の拾いだし後に、型枠の加工をして搬入するので最低でも施工2週間前には図面を渡しましょう。

躯体工事(サイクル工程)

サイクル工程とは、基準階に入った段階のことを指します。

このときには図面もだいぶできあがってきたと思います。

配筋検査等の要所要所で現場確認することが増えていきます。

1階スラブ打設が完了し、先行埋設配管工事を終えると足場の地組がはじまります。
あとは基準階になるとサイクル工程になりますので、少し肩の力を落とせます。

必要な作成図面

・屋上伏図
・屋上目地割図
・外構図
・製作金物図
屋上伏図は、屋上に設備機器(避雷針、アンテナ、空調設備等)を設置するための機械基礎を記載します。
機械基礎の大きさは、設備電気業者と打ち合わせをして決めましょう。
また屋上防水後に保護コンクリートを打設する場合は、伸縮目地割図も作成しておきましょう。
伸縮目地割についてまとめた記事はこちら!
外構については仕上げレベルを先に決めていたと思うので、床付面のレベルを記載して外構図を完成させましょう。
製作金物図は建物の用途によって、枚数が変わります。
主な製作金物としてはルーバー、門扉、手すりが該当します。
製作に時間がかかるので、躯体工事中にできているとあとが楽になります。

躯体上棟~内装工事

ここまで順調に図面が完成していたら、他の業務に時間を当てられます。
製作金物、外構図を作成する猶予はまだあるので残りの図面を完成させてしまいましょう!!
躯体上棟後に屋上防水、外装が終われば足場解体は始まるので、外装が上手くできているか確認しておきましょう。

まとめ

主任、所長になるために図面作成は避けて通れない道です。
どの工事の時にどの図面の作成をしたらいいか、この記事を読み返して学びましょう!
ちなみに図面を描くと寸法や納まりが頭に入るので、職人さんに質問されてもすぐに回答できるようになります。
そうなると現場をコントロールできるようになり、楽しくなってくるかと思います。
はじめは時間がかかったり、間違えたりしますが徐々に覚えておきましょう。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
ご意見等ございましたら下記に記載願います!

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